キーボード・マウス不要!Raspberry Pi Zero WH に Raspberry Pi OS をインストールする方法

前書き

Raspberry Pi Zero WH (ラズパイゼロ WH、以降ラズパイゼロと書くことあり) に Raspberry Pi OS (旧 Raspbian、以降ラズパイ OS と書く) をインストールする方法について書いておきます。

ラズパイゼロ WH はラズパイゼロシリーズの 1 つで、主に IoT 向けに使う超小型コンピュータ (パソコンと呼ぶには少し無理がある気がする) だ。大きさはクレジットカードを半分に割った (縦長方向に割った) くらいの大きさです。これだけ小型のため演算能力も非力で、消費電力も相応に小さい。モバイルバッテリーで稼働させることも可能だ。

今後ラズパイゼロで色々遊んでみるつもりであるし、どんな用途に実際使えるのか興味もあるので作ってみようと思って購入した。

で、最初にやることが OS をインストールすることだが、本稿ではその方法について記載するものである。

作業の流れと前提

ラズパイ OS をインストールする作業の流れは、大雑把に言うと以下のようになる。

  1. ラズパイ OS を MicroSD カードに焼く
  2. ラズパイ OS の SSH 設定と Wi-Fi 設定を行う (MicroSD カード上のファイルに対して)
  3. ラズパイゼロに MicroSD カードを差し込んで起動させる
  4. 起動したラズパイゼロに ssh でログインする

ラズパイゼロが起動したあとの作業はすべて Wi-Fi 経由で ssh ログインしてコマンド操作で行うことを前提としている。このため、Wi-Fi 情報 (SSID とパスワード) が必要です。ラズパイゼロは 5 ギガ帯の Wi-Fi に対応していないので、2.4 ギガ帯の SSID とパスワードが必要です。

また、この記事ではラズパイゼロの IP アドレスは DHCP で設定することを前提にしています。このため、ラズパイゼロがどの IP アドレスを DHCP サーバから取得したか確認できる必要があります。

ラズパイ OS のダウンロード、MicroSD カードに焼く作業、SSH 設定と Wi-Fi 設定は Mac (MacBook Pro) で行うことも前提します。

ラズパイゼロを操作・設定するためのモニター、キーボード、マウスは必要ありません。

1. ラズパイ OS を MicroSD カードに焼く

ラズパイゼロで遊ぶだめに久しぶりに MicroSD カードを買った。今は 64GB が主流なのかそれより少ない容量のものはほとんど売られていないし、売られていても割高に感じたので SAMSUNG の 64GB を買うことにした。アマゾンで 980 円でした。安っ!

MacBook Pro で MicroSD カードを焼くために以下のような USB ハブが必要であるので持っていないようであれば購入しよう。

ラズパイ OS を MicroSD カードに焼くソフトとして、Raspberry Pi Imager というソフトを使う。この記事を書いているときは、このページ https://www.raspberrypi.com/software からダウンロードできた。MacOS 用だけでなく、Windows 用と Ubuntu 用もあるようだ。

Raspberry Pi Imager の使い方は簡単だ。以下のように、

  • Operating System のところでインストールしたいラズパイ OS を選択し、
  • SD Card のところで MicroSD カードを選択して、
  • WRITE をクリックする。

WRITE をクリックすると、MicroSD カードのデータが消される意味のワーニングメッセージが表示されるが、新品で買ったものを使っているので何もデータが入っていないので気にすることなく YES をクリックした。

YES をクリックすると Mac のパスワードを聞かれたのでそれにも答えると MicroSD カードに焼く作業が始まる。

ラズパイ OS のダウンロードと焼く作業の療法をやってくれるようだ。しばし待てば完了する。

2. ラズパイ OS の SSH 設定と Wi-Fi 設定を行う

一連の作業の中でつまづく箇所があるとしたらココになると思う。まず作業の前提として、ラズパイ OS をインストールした MicroSD カードが Mac にマウントされている必要がある。

マウントとは、以下の画像のように Finder で MicroSD カードの中身が見える状態になっていることです。Locations のところで boot を選択すると MicroSD カードの中身 = ラズパイ OS の中身が見えた状態になります。

boot が見つからない場合は、MicroSD カードを抜いて・挿してをやってみてください。そうすると多分以下と同じになります。

ここから SSH 設定だが、これは設定というほどのものではなく、MicroSD カードの中に ssh という空っぽファイルを置くだけです。ココ からダウンロードして使ってもらっても良いです。「プレビューできません」メッセージが出るかもしれませんが、それを無視してダウンロードします。

この ssh というファイルを boot に置きます。SSH 設定はこれだけです。

次は Wi-Fi 設定です。

まず wpa_supplicant.conf というファイルを同じく boot に置きます。こちら にあるものを使って頂いても大丈夫です。これをダウンロードして boot に起いてテキストエディターで編集します。

wpa_supplicant.conf の中身は以下ですが、ssid と psk の箇所をご利用されている Wi-Fi 設定に合わせて上げる必要があります。

ctrl_interface=DIR=/var/run/wpa_supplicant GROUP=netdev
update_config=1
country=JP

network={
	ssid="your_wifi_network_name"
	psk="your_wifi_network_password"
	key_mgmt=WPA-PSK
}

ラズパイゼロは 5ギガ帯の Wi-Fi には対応していないので、2.4 ギガ帯の SSID とその SSID のパスワードに書き換えて保存します。

以上で、SSH と Wi-Fi 設定は完了です。

boot – Eject “boot” をクリックすると、Finder から boot の表示が消えます。この時に MicroSD カードを抜きます。

3. ラズパイゼロに MicroSD カードを差し込んで起動させる

今度は抜いた MicroSD カードをラズパイゼロに差し込みます。

そしてスマホの充電ケーブル (USB ケーブル、Micro-B 端子側) を使って、ラズパイゼロに差し込みます。ラズパイゼロには Micro-B 端子用のポートが 2 個ありますが、端っこ側ポートに刺します。差し込むのが硬かったり、あまり深く差し込めない感覚があるかもしれませんが、通電すると黄色く光るのでそれを目安にしてください。

そうするとラズパイゼロが起動してきます。

4. 起動したラズパイゼロに ssh でログインする

いよいよ、ここまでセットアップしてきたラズパイゼロにログインする瞬間です。ssh でログインするわけですが、ラズパイゼロの IP アドレスを特定する必要があります。

我が家の環境では、Wi-Fi ルーターは Google Wi-Fi を使っていますのでスマホのアプリからラズパイゼロがどの IP アドレスを取得したかが確認できるようになっています。

今回は 192.168.86.115 という IP を取得していました。ここに SSH ログインするわけです。MacBook Pro でターミナルを起動してログインしてみました。

$ ssh pi@192.168.86.115
The authenticity of host '192.168.86.115 (192.168.86.115)' can't be established.
ED25519 key fingerprint is SHA256:HVX5omfmVwqdH2aH79cIQBxEIHnE7UXMa0PBL62gscQ.
This key is not known by any other names
Are you sure you want to continue connecting (yes/no/[fingerprint])? yes
Warning: Permanently added '192.168.86.115' (ED25519) to the list of known hosts.
pi@192.168.86.115's password:
Linux raspberrypi 5.10.17+ #1414 Fri Apr 30 13:16:27 BST 2021 armv6l

The programs included with the Debian GNU/Linux system are free software;
the exact distribution terms for each program are described in the
individual files in /usr/share/doc/*/copyright.

Debian GNU/Linux comes with ABSOLUTELY NO WARRANTY, to the extent
permitted by applicable law.

SSH is enabled and the default password for the 'pi' user has not been changed.
This is a security risk - please login as the 'pi' user and type 'passwd' to set a new password.

pi@raspberrypi:~ $

デフォルトのユーザーが pi で、パスワードが raspberry になっていますので、それでログインすると上記のようになります。

これでラズパイゼロの OS セットアップは完了です。ラズパイ OS を止めたい (シャットダウンさせたい) ときは sudo shutdown -h now コマンドを実行します。

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