[SRT100] はじめてのログインから WAN 側 (LAN2) の IP を変更する方法まで
前提条件
SRT100 が初期化(工場出荷時の状態)されている状態であること。
用意するもの
SRT100 を操作するためのパソコン。これに 192.168.100.2/24 の IP アドレスを割り当てておく。なんで 192.168.100.2/24 かというと、SRT100 は工場出荷状態だと 192.168.100.1/24 という IP が設定されるからです。
デフォルトゲートウェイ(デフォゲ)は設定しなくても良いです。
今回僕は Ubuntu をインストールしているパソコンを使いました。
[手順1] Ubuntu パソコンと SRT100 の LAN1 を LAN ケーブルで接続する
SRT100 の LAN1 にはポートが 4 個ありますが、どこでも良いです。僕は LAN1-1 を使いました。このポートと Ubuntu パソコンを LAN ケーブルで接続します。
[手順2] SRT100 の電源を入れる
コンセントに挿してスイッチを ON にすると SRT100 が起動してきます。
[手順3] 不要なスタティックルートを消す
※この手順 3 は不要なデフォルトゲートウェイが設定されてしまう場合の対応方法です。デフォゲが設定されないなら手順 4 へ進んでください。
SRT100 が起動してくるとリンクアップします。
Ubuntu パソコンでインターフェイスの状態をチェックします。
$ ifconfig
enp0s25 Link encap:イーサネット ハードウェアアドレス 70:58:12:22:c1:18
inetアドレス:192.168.100.2 ブロードキャスト:192.168.100.255 マスク:255.255.255.0
inet6アドレス: fe80::50a3:1ec0:7765:1ba9/64 範囲:リンク
UP BROADCAST RUNNING MULTICAST MTU:1500 メトリック:1
RXパケット:1135 エラー:0 損失:0 オーバラン:0 フレーム:0
TXパケット:1298 エラー:0 損失:0 オーバラン:0 キャリア:0
衝突(Collisions):0 TXキュー長:1000
RXバイト:85092 (85.0 KB) TXバイト:154303 (154.3 KB)
割り込み:20 メモリ:f4a00000-f4a20000
lo Link encap:ローカルループバック
inetアドレス:127.0.0.1 マスク:255.0.0.0
inet6アドレス: ::1/128 範囲:ホスト
UP LOOPBACK RUNNING MTU:65536 メトリック:1
RXパケット:63951 エラー:0 損失:0 オーバラン:0 フレーム:0
TXパケット:63951 エラー:0 損失:0 オーバラン:0 キャリア:0
衝突(Collisions):0 TXキュー長:1000
RXバイト:6369239 (6.3 MB) TXバイト:6369239 (6.3 MB)
wlp10s0 Link encap:イーサネット ハードウェアアドレス 58:94:6b:9f:ab:0c
inetアドレス:10.1.0.10 ブロードキャスト:10.1.0.255 マスク:255.255.255.0
inet6アドレス: fe80::80c2:e30e:2f0:e4ec/64 範囲:リンク
UP BROADCAST RUNNING MULTICAST MTU:1500 メトリック:1
RXパケット:55730952 エラー:0 損失:0 オーバラン:0 フレーム:0
TXパケット:53879169 エラー:0 損失:0 オーバラン:0 キャリア:0
衝突(Collisions):0 TXキュー長:1000
RXバイト:18247570996 (18.2 GB) TXバイト:13109332418 (13.1 GB)
$
enp0s25 というインタフェースに設定している IP = 192.168.100.2 が SRT100 設定用に設定したスタティック IP アドレスです。
wlp10s0 は Wi-Fi のインターフェイスです。
この時、SRT100 で DHCP サーバが動いているせいか、192.168.100.1 というデフォゲが Ubuntu パソコンに設定されてしまいました。
$ netstat -rn
カーネルIP経路テーブル
受信先サイト ゲートウェイ ネットマスク フラグ MSS Window irtt インタフェース
0.0.0.0 192.168.100.1 0.0.0.0 UG 0 0 0 enp0s25
0.0.0.0 10.1.0.1 0.0.0.0 UG 0 0 0 wlp10s0
10.1.0.0 0.0.0.0 255.255.255.0 U 0 0 0 wlp10s0
169.254.0.0 0.0.0.0 255.255.0.0 U 0 0 0 wlp10s0
192.168.100.0 0.0.0.0 255.255.255.0 U 0 0 0 enp0s25
$
こうなると、デフォゲが 2 つ存在することになり通信がおかしくなります。
192.168.100.1 というデフォゲは不要なのでこれを消します。
$ sudo route del -net 0.0.0.0 netmask 0.0.0.0 gw 192.168.100.1 [sudo] oreore のパスワード: $ netstat -rn カーネルIP経路テーブル 受信先サイト ゲートウェイ ネットマスク フラグ MSS Window irtt インタフェース 0.0.0.0 10.1.0.1 0.0.0.0 UG 0 0 0 wlp10s0 10.1.0.0 0.0.0.0 255.255.255.0 U 0 0 0 wlp10s0 169.254.0.0 0.0.0.0 255.255.0.0 U 0 0 0 wlp10s0 192.168.100.0 0.0.0.0 255.255.255.0 U 0 0 0 enp0s25 $
不要なデフォゲが消えました。
[手順4] ブラウザーで SRT100 の管理者画面にアクセスする
ブラウザーで 192.168.100.1 にアクセスします。
ユーザー名は未記入でパスワードのところに doremi と入力し、OK をクリックします。
管理者向けトップページへ のところをクリックすると、下記オレンジ色っぽい画像の画面が開きます。これが管理者画面です。
[手順5] WAN 側 IP を LAN2 に設定する
インターフェイス をクリックします。
LAN2 のところの 詳細 をクリックします。
設定 をクリックします。
固定のアドレスを設定する のところにチェックを入れ、固定 IP を設定します。今回僕は 172.16.1.3/24 という IP を割り当てました。
確認 をクリックします。
登録 をクリックします。
これで WAN 側 インタフェースにスタティック IP を設定できました。メイン画面に戻る をクリックします。
[手順6] デフォルトゲートウェイを設定する
SRT100 の IP が変更されたことにより Ubuntu パソコンからは通信できなくなりますので、まず Ubuntu パソコンの IP を 172.16.1.0/24 のセグメントの IP に変更します。そしてもう一度 SRT100 にアクセスします。
今度はブラウザーで 172.16.1.3 にアクセスすれば良いわけです。
さっきと同じ要領でログインしたら、管理者向けトップページへ をクリックして管理者ページに移動します。
上記のように、
- インターフェース をクリックして
- デフォルトゲートウェイの IP を入力して
- 追加 をクリックします。
登録 をクリックします。
メイン画面に戻る をクリックして終了です。
ここまでの設定が終わると
我が家のパソコン環境の場合ですが、172.16.1.0/24 というセグメントがあります。そこのハブにこの SRT100 を接続することで、普段メインで使っているセグメントである 10.1.0.0/24 から SRT100 へアクセスできるようになります。
だから Ubuntu パソコンの役割もこれで一旦終了です。
ただし!1 つ注意が必要です。
ファームウェアのバージョン Rev.4.01.06 以降は、HTTP サーバのセキュリティ機能が追加されているらしく、同じセグメントの IP (我が家の環境の場合 172.16.1.0/24 のアドレス帯) からしか SRT100 にブラウザーでアクセスできないようになっています。
そこで僕は 10.1.0.0/24 から 172.16.1.0/24 の通信は、ルータ (ヤマハ RTX1000) で NAT して 172.16.1.1 (ヤマハ RTX1000 の IP) からのアクセスに見えるように RTX1100 に NAT 設定を加えました。
この NAT 設定については次の記事で書きます。