赤外線センサーは Spresense のどこに接続すれば良いのか理解するのに時間が掛かった話

前書き

Spresense に赤外線センサーとカメラを取り付けて、動体検知カメラ (トレイルカメラ) として動作させるとき、赤外線センサーは Spresense のどこに、どんなケーブルで接続すれば良いのか?これがなかなかわからなかった。

使おうと思って買った赤外線センサーはパナソニックの PaPIRs というシリーズのセンサーです。

カメラを接続する場所は簡単に特定できます。物理的にそこしかない!ってことが明確ですから。公式ドキュメント で説明されている Spresense メインボードの Camera Connector に接続します。

しかし、赤外線センサーはジャンパーワイヤーとかジャンパーケーブルと呼ばれるケーブルを使って接続することが一般的のようで、このジャンパーワイヤーを接続する場所 (Spresense 側の端子) が多くあり、どこにつなげば良いのだ?となったわけです。

メインボードと LTE 拡張ボードの端子を確認する

Spresense メインボードと LTE 拡張ボードの写真を見ていただきましょう。角度を変えて撮った写真 4 枚です。どこがメインボードがわかるように赤枠で囲んだ写真を右に並べてみました。

写真 1

写真 2

写真 3

写真 4

赤枠で囲まれていないところが LTE 拡張ボードになります。

斜めの角度で撮った写真を拡大して見てもらうとわかりやすいですが、

  • メインボードには、26 個 (13 x 2) のコネクター (ソケット) がついています。ソケットですからメスになります。
  • LTE 拡張ボードには、32 個 (8 x 2 x 2) のピンがついています。ピンですからオスになります。

合計で 58 個の端子 (ソケットもしくはピン) があることになりますが、赤外線センサーをどこに接続すれば良いかってわかりますか??

ジャンパーワイヤーってどんなの?

以下の写真が束になったジャンパーワイヤーです。ケーブルの端っこ (端子) はソケットとピンになっていて、オスーメスタイプのジャンパーワイヤーです。

PaPIRS の写真を見てもらうとわかるようにセンサーには 3 本のピンがあります。ピンがあるということは、イコール「オス」になりますね。これを Spresense 側のどの端子につなぐのか?がなかなかわからなかったという話。おそらくこれが答えだろうというところまで理解できた。

わかってしまえば簡単なものだと思うが、このように文章で説明するのはめちゃくちゃ面倒くさいと感じています。だから同じようなことを書いている人がいない (軽くググった限り見つからなかった) のだろうなと理解しています。

前置きが長くなったのでやりたいことをまとめる

Spresense メインボードと LTE 拡張ボードを使用することが前提としてあり、これに赤外線センサーを取り付けたいわけです。

写真で見ていただいたようにメインボードにも LTE 拡張ボードにも同じようなピンヘッダがあります。このピンヘッダのことを一般的に GPIO と呼ぶみたいで、複数のピンヘッダーがひとかたまりになってボード上に実装されていることが多いようです。

で、この GPIO ですが General-Purpose Input/Output という名称で、汎用的なインターフェイスであり、汎用的ということは特定の用途に特化していないため、さまざまな機能に使用できます。この「特定の用途に特化していない」が曲者で、「で、どこに接続すればいいの?どこでもいいの?」とハテナが頭の中で登場しちゃったわけです。

メインボードにはこの GPIO のピンヘッダが 26 個、LTE 拡張ボードには 32 個ついています。

調べていく過程でわかったのですが、(正確性を無視して単純に言うと) この GPIO はどれを選んでもよくて、その選んだピンヘッダを何用途で使うかをプログラムで定義して使う形になります。

まずはメインボード側?LTE 拡張ボード側?を把握する

最初の難しかったポイントがここでした。

赤外線センサーをメインボード側につければよいのか?それとも LTE 拡張ボード側につければよいのか?はたまたどっちでもいいのか?

答えとしてはどっちでも良いようですが、僕は LTE 拡張ボード側に接続する方法を選びました。

なぜか?

これを理解するためには、赤外線センサーが動作する電圧と、Spresense 側のピンヘッダーが動作する電圧を理解する必要がありました。

Spresense に接続するセンサーの動作電圧を把握する

赤外線センサーはパナソニックの PaPIRs というシリーズの焦電型赤外線センサ (EKMC1601112) を使います。

この赤外線センサーの動作電圧を調べます。なぜ電圧を調べる必要があるかというと、赤外線センサーの動作電圧と、これをつなぐ Spresense 側の動作電圧に不一致がある場合、壊れるみたいだからです。僕は電気の知識も浅いので ChatGPT に「電流と電圧と電力の違いを教えて」などと聞くところからはじめました。

PaPIRs 公式サイトの商品ページに掲載されている PDF 形式の データシート の「電気的特性」のところに書かれていました。

EKMC1601112 の動作電圧は、最小 3.0 〜 最大 6.0 V になります。

これを踏まえて、Spresense 側の電圧を確認していきます。

Spresense 側の電圧を確認する

次に Spresense メインボードと LTE 拡張ボードの電圧を確認します。公式マニュアルにかかれていました。

メインボードの電圧

メインボードの電圧は ココ で説明されています。

なんとメインボードの電圧は 1.8 V だそうです。

赤外線センサーの動作電圧が 3.0 〜 6.0 V でしたから、あの PaPIRS 赤外線センサーをメインボードと接続してはダメってことになります。

細かく言うと、なんとかっていう電圧調整するモノを挟めば良いみたいですが、そこまではやりたくないと思いました。

LTE 拡張ボードの電圧

LTE 拡張ボードの電圧は ココ で説明されています。

CN9 信号用ピンヘッダ と表記されているのが、LTE 拡張ボードのピンのことです。

CN2 のジャンパーで CN9 の電圧を 5 V か 3.3 V に設定しますので、LTE 拡張ボード側の電圧は 5 V か 3.3 V になります。

以下がジャンパーの箇所です。赤丸部分を拡大していただくと 3 本のピン (ジャンパーピン) のうちの 2 本に黒い部品 (ジャンパーキャップ) が被さっています。写真のジャンパーの状態で LTE 拡張ボードが 5 V の設定になっています。

出荷状態では CN2 のジャンパが 5 V に設定されているので、そのまま 5 V の設定で使えば良さそうです。赤外線センサーの電圧が 3.0 〜 6.0 V だから赤外線センサーは 3.0 V から 6.0V の間の電圧で正常に動作します。LTE 拡張ボードの 5 V で問題ないと判断しました。

ここまでの結論:赤外線センサーは、LTE 拡張ボードのピンに接続する!

LTE 拡張ボードのどのピンに接続するか?

赤外線センサーを LTE 拡張ボードに接続するところまで決まりました。お次は LTE 拡張ボードの「どのピン」に接続するのか?です。

以下の写真を見てください。

LTE 拡張ボードには大きく 2 箇所にピンが配置されています。それぞれ 16 個のピンがあるため合計で 32 個のピンがあります。

緑色側が 公式ドキュメント で説明されている CN9 に相当し、水色側が CN6 として表記されています。

どちらも使えるようですが、CN9 のピンを使うことにしました。

CN9 のどのピンに接続するか?

赤外線センサーを、LTE 拡張ボードの CN9 のピンに接続するところまで決まりました。

最後、CN9 の 16 本のピンのうち、どの 3 本を使って赤外線センサーと接続するかを決めていきます。

公式ドキュメントの ハードウェア設計資料のページ に Spresense コネクタ ピンリスト のファイル (エクセルと PDF) があり、それを見て 1, 2, 7 番のピンを使うことに決めました。

3 つのピンが赤でマークされていますが、以下のように赤外線センサーと接続します。

  • 1 – 赤外線センサーの電源供給用
  • 2 – グラウンド
  • 7 – 赤外線センサーからの信号受信用

赤外線センサー (パナソニック / EKMC1601112) の 公式ページ に データシート があり、それをダウンロードしてみると赤外線センサーの 3 つのピンが何用かがわかります。

この画像内の Vdd を LTE 拡張ボードの 1 番ピンに接続し、GND を 2 番ピンに接続し、OUT を 7 番ピンに接続します。

赤外線センサー側にピンがあり、Spresense 側 (LTE 拡張ボード側) にもピンがあるので、ジャンパーワイヤーは メスーメス タイプが必要です。

ジャンパーワイヤーは色んな色がありますが、一般的にある程度の用途が共通認識と指定あるようです。by ChatGPT

ChatGPT によると一般的には、電源用が赤、グラウンド用が黒、信号用に黄・白・緑、を使うようなので、「赤・黒・黄」を使うことにしました。

これが、メスーメス タイプのジャンパーワイヤー (赤・黒・黄) です。

Spresense と赤外線センサーを接続してみました。

これで物理的な接続は問題ないはず。後日プログラミングしてみます。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください